序章

セマンティックウェブとは、ウェブ上の知識を意味的に構造化して公開し、問い合わせを行うという考え方のことである。セマンティックウェブの概念を実現する上で、知識グラフは現在最も重要な構成要素の一つと見做されている。式グラフは、実態に関する大量の事実からなる知識ベース(KB)(オントロジーとオントロジーのクラスの組み合わせ[59, p.739])として定義される。

[59]:S. Staab and R. Studer. Handbook on Ontologies. Springer Publishing Company, Incorporated, 2nd edition, 2009.

DBpediaのようにドメインに特化したKGの他に、一般的なすなわち百科事典的・領域横断的な知識が公開されたKGに含まれることが多い。例えば、エキスパートシステムのように一部のユーザーだけが構造化された知識を利用できるのではなく、ウェブにアクセスできる人であれば誰でも、構造化された知識に対する意味論的クエリが従来の文書に対する情報検索クエリを拡張するウェブ検索機能を使って恩恵を受ける。

Freebase

Freebaseは2007年にMetaweb Technologies, Inc.が設立し、2010年7月16日にGoogle Inc.によってばいしゅされた。Freebaseはエンドユーザが構造化データを編集してKGに貢献できるようなインタフェースを提供していた。Freebaseは、ユーザーから提供されたデータの他にWikipedia, NNDB, FMD, MusicBrainzのデータを統合している。Freebaseは、複雑な文も保存するために独自のグラフモデルを使用している。2014年12月16日にFreebaseチームはFreebaseが2015年6月30日にサービスを停止することを発表した。

YAGO

Yet Another Great Ontology (YAGO)は、2007年からザールブリュッケンのマックス・プランク計算機科学研究所で開発されている。YAGOはWikipedia(カテゴリ、リダイレクト、インフォボックスなど)、WordNet(シンセット、ハイポにミーなど)、GeoNamesから抽出された情報で構成されている。

一般的なKG情報の比較

形式と表現の比較